研究者代表ごあいさつ

上島 弘嗣

共同代表
滋賀医科大学
名誉教授

滋賀医科大学
NCD疫学研究センター
特任教授

上島 弘嗣

 コロナウイルス感染で、慢性疾患の適切な治療機会も侵しかねない状況が生じました。これは、約100年前にインフルエンザの世界的流行に次ぐものでしたが、その陰に隠れて、慢性疾患の予防や治療がおろそかになっては元も子もありません。
 私は定年後、海や川での釣りを趣味として始めましたが、持病のリュウマチ性の疾患や高血圧を上手く管理しなければ、趣味を楽しむことができません。私にはもう一つ、大動脈閉鎖不全という重大な病気があり、30年近くも付き合ってきましたが、2021年1月に無事に弁置換術の手術を受けて命を取り戻しました。
 命あるものは必ず尽きます。四苦八苦の四苦「生・老・病・死」は生を受けたものの宿命ですが、老いても病を抱えていても、日常生活を楽しく過ごすことのできる期間をできる限り長くしたいものです。
 そのような社会の実現には様々な工夫が必要と思っています。私達の願いは、その工夫を皆様のご協力の中から生み出すことができればと考えています。
 最後に、私の減塩生活の工夫と減塩の大切さを記した本、「ドクターうえしまの塩切り奮闘記」(ライフサイエンス出版)を出版しました。減塩の必要な方のご参考になればと思っていますので、ここで紹介しておきます。

2021年6月吉日
滋賀医科大学 滋賀動脈硬化疫学研究SESSAセッサ
共同代表上島 弘嗣

三浦 克之

共同代表
滋賀医科大学
NCD疫学研究センター
センター長・教授

滋賀医科大学
社会医学講座公衆衛生学部門
教授

三浦 克之

 脳卒中や心臓病の多くは動脈硬化が原因でおこります。また、今後増加が予想されている認知症も動脈硬化との関係が指摘されています。この研究は、動脈硬化を進める要因を探り、予防方法を明らかにするために、滋賀県草津市にお住まいの一般男性を主な対象として2006年から開始されました。1000人以上の男性の動脈硬化に関するデータは、日本人を代表する結果として動脈硬化予防方法の解明に役立っています。日本人の動脈硬化はアメリカ人よりもまだ進んでいないものの、今後それに近づいていくであろうことも分かりました。研究成果はこのホームページでも順次ご紹介しています。

 動脈硬化は女性においても大きな問題ですが、まだ色々なことが分かっていません。 また、増加が予想される認知症の予防方法についてもさらなる研究が必要です。2015年からは草津市にお住まいの一般女性の皆様にご協力いただき、日本、そして世界の女性の動脈硬化や認知症の予防方法を明らかにするための研究を続けています。引き続き研究へのご参加をどうぞよろしくお願いいたします。

2021年6月吉日
滋賀医科大学 滋賀動脈硬化疫学研究SESSAセッサ
共同代表   三浦 克之