SESSAについて

滋賀動脈硬化疫学研究 SESSA
(Shiga Epidemiological Study of Subclinical Atherosclerosis)
動脈硬化と認知症に関する疫学研究

動脈硬化は日本人死因の約3分の2を占める心血管病の主原因であり、その前段階である潜在性動脈硬化の発症・進展への対策が望まれています。また、我が国における認知症有病率の上昇は人口高齢化のスピードを上回っており、その予防は大きな医療・社会問題となっています。

滋賀動脈硬化疫学研究:SESSA (Shiga Epidemiological Study of Subclinical Atherosclerosis) は、滋賀県草津市住民の皆さまにご協力いただき、草津市住民から無作為抽出された一般住民を対象に、潜在性動脈硬化指標・認知機能とその関連要因子を検討し、心血管病・認知症の早期発見および予防に資する所見を明らかにすることを目的とした疫学研究です。

平成18年から一般男性を中心とした約1200名を対象にベースライン調査が実施され、また平成22年よりフォローアップの追跡調査が実施されました。潜在性動脈硬化指標である冠動脈石灰化、頚動脈内膜中膜複合体厚(IMT)、脈派伝播速度(PWV)、上腕足関節血圧比(ABI)、心異所性脂肪、腹部内臓脂肪蓄積等の調査、および認知機能の評価に加え、平成24年度から頭部MRIを用いた無症候性脳血管障害および脳萎縮の程度の調査、平成25年度から24時間にわたる心電図・血圧のモニタリング、睡眠時無呼吸検査、および呼吸機能検査がそれぞれ追加されました。国内では類を見ない多種多様な検査を用いた研究はこれまでに確かな成果を挙げています。

さらに平成27年度からは、一般女性を対象としたベースライン調査を開始し、上記潜在性動脈硬化指標ならびに認知機能に関して詳細な検討を行い、国内外へ発信する新たなエビデンスの構築を目指しています。

これらSESSA研究は平成25年10月に滋賀医科大学構内に新たに建設されたNCD疫学研究センターの疫学調査用リサーチクリニックを拠点に行っています。NCD疫学研究センターは文部科学省に認可された国内初の疫学研究専門施設であり、最先端の疫学研究を実施できる環境を整えた中で活動を推進しています。

循環器疫学サイト”epi-c.jp”(エピック・ジェイピー)でも紹介しています。