New!!過去30年間の肥満・やせと総コレステロール高値との関連(1980年~2010年)
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過去30年間の肥満・やせと総コレステロール高値との関連について検討した。適正体重の人に比べ、肥満の人の総コレステロール高値リスクは、男性では、1980年は2.44倍だったが、2010年は0.92倍であった。 同様に、女性では、1980年は1.43倍だったが、2010年は1.08倍、一方で、やせの人は0.39倍、0.96倍となり、総コレステロール高値リスクとの関連は徐々に弱まった。 30年前は肥満になりやすい食事が同時に高脂肪などによりコレステロール高値になりやすかったが、近年は体型に関わらず脂肪(特に飽和脂肪)の多い食事を摂る人が増えたため、肥満や痩せとの関連が弱くなった可能性がある。 国民の脂質異常症予防のためには、肥満に対する対策だけでなく、適正体重や痩せの人も含めて食事中の脂肪分(飽和脂肪や食事性コレステロールの過剰摂取の防止)への対策も行う必要があると考えられた。
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Shibata Y, Ojima T, Nakamura Mieko, Kuwabara K, Miyagawa N, Saito Y, Nakamura Y, Kiyohara Y, Nakagawa H, Fujiyoshi A, Kadota A, Ohkubo T, Okamura T, Ueshima H, Okayama A, Miura K.
Associations of Overweight, Obesity, and Underweight With High Serum Total Cholesterol Level Over 30 Years Among the Japanese Elderly: NIPPON DATA 80, 90, and 2010.
J Epidemiol 2019; 29(4): 133–138.